5月2日の西日本新聞朝刊の連載記事【筑豊 甘ダイヤものがたり】最終回に、魔法のバースデーケーキが取り上げられました。
ご紹介します。

 

 

 

世界に1つの立体形

「仮面ライダー、フェラーリ、サッカーボールに本場大間(青森県)のマグロ―。どんな注文も、立体的なケーキに仕上げて見せます」

ネット販売の洋菓子店「魔法のバースデーケーキ」(香春町香春)。切り盛りする吉松清美さんと宮本光浩さん、「月平均80件の注文」という自信に裏打ちされた挑戦状だ。

それだけに出来上がりは半端じゃない。スポーツカーなら流線形の車体のみならずタイヤのホイール、ワインのラベルの文字、アニメの主人公の髪の毛一本までこだわり、「魚も今まさに水揚げされたようでしょ」と吉松さん。

 

 

注文主の要望を何回も聞き、それを基にスポンジを小型ナイフで削り成型。食紅や竹炭などで鮮やかに色付けした生クリームで飾ると、3人の魔法がこもる「世界に一つだけのケーキ」が完成する。

自動車整備工場を経営する宮本さんは2008年、事務員だった吉松さんとネットショップセミナーを受講した。

自身の店のケーキをネット販売することを考えていたパティシエさんと意気投合。「単なるネット販売じゃつまらない。どんな注文にも応える完全オーダーメードの店をつくろう」と同年11月から始めた。

 

最初の注文は、子供向け番組に出てくる車だった。車体といい、ボディーの色といい「本物そっくり」(吉松さん)というほどの出来栄えで、2人はただ驚いた。

以来、次々に注文が舞い込んでは「ナイフを入れるのがもったいない」「青色のクリームを食べるのは抵抗があったけど、おいしかった」などのお礼の声が相次ぎ、子どもの誕生日会の様子をメールで実況中継してくれる家族もいた。

 

イラストプレートケーキ

 

吉松さんは「要望を何十回も細かく聞くことで、お客さんは『どんなケーキかな』とわくわくする気持ちが高まってくるんです」。要望の少ない人には、宮本さんと集めた雑誌や写真を基に「ナンバープレートは何番にしますか」「アニメの主人公の表情は」と“逆注文”。「多少ハードルが高いと思っても売り込みます。扇山さんが腕を振ってくれますから」

そのたびに扇山さんは「味も見た目も、誰にも負けん」とお客さんの喜びを励みにしている。

 

魔法のバースデーケーキ

 

腕利き職人集め、「スイーツバレー」に

筑豊は、全国に名をはせる数々の銘菓が生まれた「甘味処」。菓子に対する厳しい目と腕を持った職人が少なくない。この店で働く筑豊の『魔法使い』を探している宮本さんは「今いる菓子職人も全国に発信し、筑豊かをシリコンバレーならぬ『スイーツバレー』にしたい」。3人は今後も、筑豊が誇る「甘ダイヤ」をさらに磨く「魔法」をかけ続けるつもりだ。

 

田川市川渡り神幸祭 イラストケーキ

 

西日本新聞社さま、このたびは弊社のケーキをご紹介いただきまして、まことにありがとうございました。