福島県から、帰ってきたギターのケーキの物語をご紹介いたします。
3月10日
想像を絶する大惨事となった
東北関東大震災発生の前日、
このギターのケーキは、
福島県のお客さまのもとへ向けて
発送されました。
翌、3月11日の午後14時46分、
大きな大きな揺れが
日本列島を襲ったとき
このケーキは、まだ配達の途にありました。
大きな津波が
東北地方の沿岸部で
家や車や、たくさんの人をのみこんで
日本中を恐怖と悲しみで満たした・・・
お客さまは・・・。
お客さまは、ご無事でいらっしゃるだろうか
ご無事を確認するための連絡は
今はまだ、遠慮しなくては。
*
本来ならば、3月13日にお届けする予定のケーキです。
荷物の追跡をしても、受付後の行方が・・・
更新されていない・・・
今現在、ケーキがどこに存在しているのかも
まったくわからない
交通が遮断されている状況は、報道されておりました。
だけど、もしかしたら・・・・
もしかしたら、ケーキがそのまま、
ご無事なお客さまのもとに届き、
ヤマト運輸から、自動で配信される配達完了メールが
私の携帯に送信されてくるんじゃないかと
望みをつなぎ
ご無事を祈り
待ちました。
3月13日、願いは叶わず、
ギターのケーキは、九州へ戻ってまいりました。
混乱を極めた物流の途にありながら、
破損することもなく、美しいままの姿で。
*
お客さまにメールをしました。
ご無事でいらっしゃいますようにと、願いをこめて。
「大丈夫です!」
お客さまのご返信に、涙がこぼれそうになりました。
ケーキをお届けできなかったこと
九州に戻ってきたこと
ご報告いたしました。
*
「お願いが2つあるのですが・・・
今回のデータを、残しておいてもらえないでしょうか。
来年のお誕生日に、おなじケーキをお願いしたいので。
あとひとつは、まだケーキを処分していなかったら
写真を撮って送っていただけないでしょうか。」
かしこまりました。
データはそのまま残しておきます。
美しいままもどってきたケーキの写真を撮って、お送りいたします。
お客さまのもとにお届けすることが叶わず
もどってきたこの美しいギターのケーキを
たくさんのかたにご紹介したい
私の想いをお伝えいたしました。
「ケーキのサイト掲載の件、了解しました。
私が注文したケーキが役にたつなら、
被災地の人間としてみなさんのためになるなら喜んで!」
*
ありがとうございます。
心から、感謝いたします。
魔法のバースデーケーキでは、
このたびの震災の被害を鑑み、ケーキのご紹介を自粛しておりました。
募金をしたり、献血に走ったり
私なりにできることで、自分を納得させておりました。
そして、今、私にできることは
暗い気持ちでいらっしゃる方々に、
明るい希望を持っていただけますよう
願いをこめて、ケーキのご紹介をすることです。
美しいままでもどってきた、魔法のバースデーケーキに
明日を、未来を、見ていただきたい。
どうか、被災されたみなさま
希望を持って、生き抜いてください。
日本の未来を作るために。